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知って得する業界コラム

エアライン就職と方言の関係、不利になるという噂は本当か

日本全国にはたくさんの空港があって、それぞれの空港や機内ではGS(グランドスタッフ=地上職員)やCA(キャビンアテンダント=客室乗務員)など、たくさんの人が働いています。
日本全国にはたくさんの地方があってそれぞれの地方には方言がありますが、空の旅を利用しているとどの空港や航空会社であっても接する人たちが標準語を話していることに気づかされます。
こうした人たちの話しぶりを見ていると、エアラインに就職するには方言を修正しないといけないのかと思ってしまいますね。
これって、実際のところはどうなのでしょうか。普段話している言葉が標準語ではない人は方言を修正しないと面接などで不利になってしまうのでしょうか。その真実をお伝えします。

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九州人にとって方言は文化そのもの


九州に独特の方言や文化があるのは、皆さんよくご存じの通りです。しかも、同じ九州の中でも福岡と鹿児島ではまるで方言が違いますし、同じ福岡県の中でも微妙に異なる方言があります。方言はその地方の文化そのものなので、九州に豊かな方言が今も残っているのは、それだけ文化を大切にしてきた証拠です。
しかし、たとえ福岡空港であっても九州の方言丸出しでアナウンスをしているGSはいませんし、福岡発の飛行機に乗ってもCAが博多弁を話すことはありません。
やはり、エアライン就職で方言は邪魔になってしまうのでしょうか。

使い分けることができれば方言自体に問題はない


なぜ、エアラインで働く人たちが標準語を使うのか。そこには明確な理由があります。日本全国どこの出身の人が聞いても分かるように話すことで誤解をなくし、スムーズに運航をするためです。九州の人がいつもの話し言葉でアナウンスをしたら、同じ日本人であっても完全に理解できない乗客が出てくることでしょう。
ここで注意したいのは、採用選考の目的がスムーズな運航に貢献してくれる人を選ぶことであり、「方言を完全に修正した人」を探すことではないという事実です。
いくら標準語を意識しても、面接試験の場で思わず方言が出てしまうこともあると思います。その瞬間に即アウトかというと、そんなことはありません。方言が出てしまったということは自分の言葉で話している証拠であり、むしろ方言で話している時の受け答えに面接官の注目が集まるかも知れません。面接試験で思わず方言が出てしまったとしても「公式の時にちゃんと使い分けてくれれば問題なし」というのが、航空会社のスタンスです。
まだ方言が少し残っていたとしても人物的に採用したいと思えるような人であれば、方言を理由に不合格にすることはありません。

航空会社の多様化によって方言を敢えて前面に出すことも

方言とエアラインの関係については、ここ最近少し新しい傾向も見られるようになりました。その主役は、LCC(格安航空会社)です。LCCは安さが売りの航空会社だけに機内の装備なども簡素になっており、少しでも乗客を楽しませようというアイデアで独自性を前面に出しているケースも少なくありません。
その代表的な例が、日本最大のLCCであるPeachです。Peachは大阪を本拠地にしていることもブランドイメージの一環としているため、CAの話し言葉には若干の関西弁が含まれていることがあります。おそらく社内の規定としてあまり関西弁を極度に抑えておらず、自然に出てしまうことに寛容なのだと思います。
極めつけは、Peachの便が目的地に着陸した時です。
最後に「今日は、ほんまおおきに」とCAが挨拶します。方言がタブー視されてきた従来の考え方とは対極にある、面白い事例だと思います。
こうした傾向が拡大すれば、方言のことがそもそもあまり気にならないという時代が来るかも知れません。

公的な場面で標準語が使えるようになって社内グレードを上げよう

エアライン就職で方言のことをそこまで気にしなくても良い状況になってきてはいますが、先ほども述べたように「公式の場で使い分ける」ことはエアライン各社から今も求められています。公式の場で正確な標準語で話せるのであれば問題ないというのは、裏を返せば公式の場でも方言が前面に出ているようで仕事にならないということでもあります。
もちろん、エアライン各社は入社後の研修で標準語もしっかりとレクチャーします。入社前には標準語が苦手だった人も、この研修でしっかりと身につけていけば現場で十分活躍可能です。
あまりご存知ない方も多いと思いますが、飛行機の機内アナウンスには社内グレードがあります。より正確で美しい標準語で話せるようになるとグレードが上がっていく仕組みになっており、業務によってはグレードが高いCAでないと担当できないものもあるほどです。乗客に対して正確に物事を伝えて、安心して空の旅をしてもらうには、言葉が大切だということですね。
いかがでしたか?方言とエアライン就職の関係について、特に九州の人たちが気になりがちな点について解説しました。ここで解説したことを踏まえて、次に飛行機に乗ったらCAやGSの話し言葉を注意深く聞いてみてください。

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